フェンネル大陸偽王伝第一巻です。

薬屋さんの作者さんが贈る、王道ファンタジーだそうです。

あくまでも作者の感覚で王道らしいので、世間一般の王道とはズレがあるやも、ということですが、うーん、どうだろう。最初の展開は確かに王道なのですよ。王族の末子がなんだかよくわからないうちに、信じていた人に裏切られて、国を追われて、名を捨てて生きていく、みたいな感じなのです。まだ一巻だし、どう生きていくのかわからないのですが。

13歳の少女フェンベルク・ストライフは、人によく似た獣、グールを率いる将軍。幼いながら、その戦略は確かで戦果を上げている。一夫多妻なので、腹違いの姉や兄がたくさんいるようで、なかでもギルバートを慕っている。兄の役に立ちたいと頑張っているのです。そんな彼女の身に思わぬ事態が起こって、異国の地に流される事になります。13歳の少女にはあまりに辛い。焼き鏝、人身売買、買われた先は殺したいほど憎まれている男のところ。散々です。それでも、彼女は生きているのです。若いからかな。

先の活躍が楽しみな人物が多数いて、棒術の師匠とか医療班のウィルとか島流し先で出会ったサチやユイジーンなど、なかなか癖のありそうな人が多いです。

イラストが可愛らしい。ミギーさんという方のイラストらしい。水彩画で素敵。このシリーズ、かなり続きが楽しみです。
タックとタカチ以外のも面白いぞ、と言う事で借りてみました。

いや、すごい面白い。結構な厚みがあるけどぐいぐい読めてしまいました。通勤電車で読んでたのですが、その時間では読みきれなくてすっごい続き気にしながら仕事しました。挙句、昼休みにまで読もうとしました。

まず設定がすごい。アメリカのカルフォルニア州にある極秘の研究所。そこでは人格転移の研究がされている。誰が作ったのか定かではない装置がそこにあり、どういうからくりかは全く解明されていないが、二人以上の人間がその部屋(チェンバーと呼ばれている)に入ると、人格の交換が行われるという。その人数が三人でも五人でも同じように人格が転移する。しかも、その転移は一度だけでなく、一定の時間を置くことなくどんどん行われる。肉体が死亡するまで終わる事はないという。研究で明らかになったのは、転移には一定の法則性があるということ。

そんな設定の中で、たまたま居合わせた男女が大きな地震に遭遇して、打ち捨てられたらしい部屋(チェンバー)に逃げ込んだ事から、話が大きく展開する。人種も性別も違う男女の人格転移が複数行われたのだから大変です。研究は凍結されていたものの秘密保持のため彼らは合衆国の管理下に置かれます。

そんな中でまさかの連続殺人が発生!一体だれの人格がそんなことをしているのか?揉みあってる内にも幾度も人格転移が行われるため、もう誰がだれだかマジで混乱してきます。でも、事件が終わってからも長い。どんでん返しも何回もあって、まだあるのか?って感じです。

文庫版には森博嗣氏の解説がついていて、お得な感じ。なんか随分長い解説でしたね。なんとも森さんらしい文章で面白いです。面白い解説ってすごいなぁ。

読書日記を書いてて思うのですが、世の中には面白い本がたくさんあるけど、面白ければ感想が書きやすいかというとそうでもなくて、私の読解力とか文章力とかもあるだろうけど、内容面白かったのになんでか感想が書き難いという本もある。これはとっても書きやすい本ですね。読んだ後に日記に書くこといろいろ考えつきましたから。まぁ、家に着くまでに大概抜け落ちたりしてるんですけど。

「顔」(横山秀夫)
これも読みました。短編の連作形式になってて、婦人警官平野瑞穂の活躍が描かれています。上司の「だから、女は使えない」などの発言に傷つきながらも、男社会の警察の中で懸命に職務を全うしようとするひたむきな姿が心打たれる感じです。
魔女王薬師寺涼子のシリーズです。

今回もやりたい放題の涼子さん、忠臣泉田くんの心労も大変かも。でも、この頃は上司の悪影響も受けているようで、行動が過激になってきました。それに加えて、上司を言いくるめるのもかなりお上手になってきてます。すぐ暴走する上司の手綱を上手く操ってる。言葉の使い方も上手い。

「クレオパトラの葬送」
黒い噂の耐えない要人の監視のため、香港に向かう豪華客船に乗り込むことになった涼子様ご一行。泉田くん以外のお涼さんの部下が二人出てくるのですが、どちらも個性的で頼りになる感じ。流石はお涼さんのところに回される人材です。しょっちゅう他の部署の応援に駆り出されている模様。

最後の最後で驚きの事実が明らかになります。なんとも流石はお涼さんというか、むちゃくちゃというか、すごいです。

「黒蜘蛛島(ブラックスパイダー・アイランド)」
カナダで見つかった日本人男女の死体の捜査のために、バンクーバーにやってきた二人、しかし、大使が捜査に協力的でないため、キツーイ魔女王のお仕置きを受ける羽目になりました。うーん、かなりひどいです。しかし、ここまでされたって時間が経てばひょっこり復帰してたりするんですよね。官僚という生き物はかなりしぶといです。

お涼さんを「女主人(ミレディ)」と慕うフランスの少女たちが今回も登場。それぞれ武器とパソコンの達人で頼れる二人です。

それにしても今回の敵が今までの中で一番、肌がぞわぞわーってしました。あんまり好きじゃない。大概の人はきっとダメだよ、あれは。なのに薬師寺警視は平気無敵。果たして彼女に怖いものはあるんだろうか。
花の都巴里もお涼さんが上陸すれば、怪物が跋扈する妖都に変身してしまうようです。

フランスの大学に犯罪学の特別講師として出向することになった薬師寺涼子警視。警視庁の方々は二週間とはいえドラよけお涼が出勤しないということで万々歳なムード。お涼さんの忠実な子分の泉田くんもお守りからの解放に喜んだ矢先に、お涼さんからフランス出向についてくるよう言い渡されてがっかり。子分はいつでも親分と一緒ということらしいです。

怪奇事件を呼び寄せる体質のお涼さん、フランスに降り立ったそばから事件に遭遇です。空港で老人が突然倒れる現場に居合わせるのですが、なんと老人の頭部が異様に軽くてカラカラ音が鳴るのです。脳ミソがなくなってる死体なんて珍しい。
現場がフランスで捜査権限がないのもなんのその、お涼さんは怪物を追ってハイヒールで出撃です。

お涼さんが所有するアパルトマンには美少女メイドが二人いて、随分とお涼さんに心酔している模様。彼女たちの将来が心配です。あんまりご主人を見習わないほうがいいと思う。恰好いいけど、なかなか真似できるもんじゃないよ。

今回の見所は、炭素繊維を一本織り込んだスカーフで敵をスッパァって切っちゃうお涼さん。剣の達人は新聞紙でも切っちゃえるみたいな感じだ。おっそろしいもの身につけてはるなぁ。
あと、ハイヒールの踵が折れてしまったお涼さんをお姫様抱っこする泉田くん。流石忠臣、あっぱれです。

レオコン岸本とお涼さんの宿敵お由紀さんも現れて、フランスなのに日本みたいな感じで、なかなか賑やかしいです。
女王さま薬師寺涼子と子分の泉田くんが活躍するお話です。

むかーし「摩天楼」という文庫を買ったのです。で、けっこう面白かったので続きを楽しみにしていたら、続きはなんとノベルスだったのです。小説は文庫しか買ったことなかった私にはノベルスを買う余裕はなくて、結局続きを読むことはなかったのですが、書庫で見つけたのを機に借りてみました。

警視庁の名物警視薬師寺涼子は、才色兼備でアジアを代表する大企業のオーナーの娘。シュミは上司いびり、おえらがたの弱みを握る事、子分いじめ。絶世の美女の皮を被った悪魔だという専らの噂。ついたあだ名は「ドラよけお涼」ドラキュラもよけて通るの意らしい。
やたらと怪奇事件に縁のあるお涼さんは、今回もガーゴイルみたいな人影を追って周りの迷惑考えずに突っ走ります。

「ドラよけお涼」が、ずっと引っかかってる。これって「ドラまたリナ」を意識してるのかしらん。別にどっちでもとよいけど。

「勝てば官軍」なんて書を部屋に飾ってるお涼さんは、傍若無人、天上天下唯我独尊、世界は私のためにある、とすんごい人なんですけど、部下の泉田くんには妙に素直で可愛らしい、という意外性もあってとっても魅力的なキャラクタです。
女王陛下の少年スパイ!アレックスの第四弾。

今回のお話はすごい!ターニングポイント!って感じです。うわぁ、続きは出てないのかなぁ?すっごい気になる。

いつもと違うのは、今回はMI6に依頼されてするミッションじゃないってこと。つまり、MI6の応援は期待できないということになる。じゃぁ、いつも渋々任務をこなしてきたアレックスがどうして今回に限って積極的に事件に関わるのかというと、原因はガールフレンドのサビーナ。サビーナは前回も出てきたヒロイン。明るくて大人びてて楽しい彼女は、前回のミッションで心傷ついたアレックスを癒してくれた。家族のいないアレックスにとって、まるで昔からの知り合いのように接してくれるサビーナの家族はとても大事な存在らしい。

今回はサビーナに誘われて南フランスに遊びにきたところで事件に巻き込まれる。楽しく過ごしていたアレックスは海岸で思いがけなく見知った顔を見つけて仰天する。叔父のイアン・ライダーを暗殺したロシアの殺し屋ヤッセン、忘れたくても忘れられない表情のない冷たい横顔。こんな所にどうしてヤッセンが?アレックスはその理由を探ろうとヤッセンを尾行する。

このヤッセンが、今回のキーパーソンといってもいいでしょう。冷酷な殺し屋がどうしてアレックスに妙な優しさを見せるのか。そこがポイントです。前回のアレクセイといい、危険な大人に好かれるなぁ、主人公。
女王陛下の少年スパイ!アレックスの二巻と三巻です。

14歳の中学生アレックスは、叔父のイアン・ライダーの死後、嫌々叔父の仕事を引き継ぐことになる。それがイギリスのスパイだというのだから驚きです。前回は叔父が失敗した任務を引き継いだのですが、今回はまた新たな任務を与えられます。またもや嫌々。

「ポイントブランク」
正義感から起こした行動が、とんでもない大惨事を引き起こして警察に捕まってしまったアレックス。MI6から無罪放免にする代わりに任務を言い渡されます。今度は学校に潜入です。でも、普通の学校じゃないです。著名人や大富豪の問題ある子息を預かり真人間にしてくれると評判の、なんとも怪しげな学校です。雪山の中にある変わった屋敷を校舎にしており、中では生徒の数の五倍は武装した警備の人間が警戒しています。そこに隠された秘密とは?

前回に引き続いて荒唐無稽な感じの野望です。いくらなんでもすぐばれそう。女の子が出てきたーと思ったけど、ヒロインではなさそう。

「スケルトンキー」
CIAからの依頼で親子連れを装うためにマイアミに飛んだアレックス。今回は楽そうな任務かと思いきや、やっぱりそんなことはなくて、一緒に動くCIAの二人とはしっくりこないし、今度の野望はかなりすごいしで、頑張れアレックス!て感じです。

今度こそヒロインらしい女の子が出てきました。それにしても、任務をこなすたびにアレックスが、変わっていくようで心配。どんどん感情とか表に出さなくなってきてるような。まだ14歳なのになぁ。
学園ラブコメと本格ミステリの二重奏も四作目です。

やっとラブコメに慣れてきました。
あとがきによると、このシリーズはラブコメだけど、萌えは目指してないそうです。
なんだか意外。表紙が漫画絵だし、ラブコメだし、お約束多そうだしで、萌えもあるだろうと思ってました。

早朝、家に押しかけてきた後輩のアイドルに拉致されて、ナオキの誕生日パーティーに連れてこられた琴葉さん。またもや事件の第一発見者になってしまいます。
マンションの非常階段から落ちた男の背中にあった短冊。四年前に消滅した笹乙女委員会との関係はあるのか?

ワッキーは相変わらずトラブルメーカーですなぁ。次はなにをしてくれるんだろう?
論理のアクロバットの六連打。

ノンシリーズの短編をまとめたものらしいです。
タックとタカチのシリーズではなかったみたい。
西澤さんはけっこう大人な内容書くんだなとか思った。
タックとタカチが学生だからか、割と爽やかイメージを持ってたのです。けっこう残虐な描写とかあって意外な感じでしたよ。

パズラー小説という言葉は耳慣れない感じ。謎を解く過程を重視した小説を指すらしい。ひたすら論理にこだわるわけです。

以下収録作品それぞれのひとこと感想。

「蓮華の花」
人の記憶の曖昧さを突いた作品。驚きがあるから、最後は切ない感じでした。

「卵が割れた後で」
日本が舞台じゃなくて驚いた。謎を解く”神父さま”やエルのキャラクタが非常に魅力的。シリーズ化とかないのだろうか。

「時計じかけの小鳥」
購入した本に挟まっていたメモからとんでもない事実を導き出してしまう主人公。最後にひとつ精神的に大人になった感じがした。

「贋作『退職刑事』」
贋作と言われても、真作の方を全く知らなかったりする。でも、面白かった。年長者の知恵は馬鹿にしちゃいけないなぁ。

「チープ・トリック」
またもや舞台は日本じゃない。これは、西澤さんの作品の中では珍しい部類に入るかもしれない。なるほどって感じでした。

「アリバイ・ジ・アンビバレンス」
主人公の語り口が暢気で微笑ましい。委員長の変貌振りがすごい。事件の謎を解くため交わす会話が面白い。

今までは選り好みしてタックとタカチしか読んでなかったけど、他のシリーズも読んでみようと思う。
恩田さんだから借りてみた。

行方知れずになったという異母兄を探しに奈良に出かけることになった主人公と異母兄の長年の恋人。
異母兄の足取りを追って奈良のハイキングコースを巡る事になりました。

奈良に行きたくなるなぁ。
関西なので、遠足はもっぱら京都か奈良でした。でも、遠足で飛鳥にはいったこと無いんですよ。なんでだろう?大仏とか若草山には行ったんだけどなぁ。この春に初めて飛鳥に行きました。でも、メインじゃなかったので高松塚古墳を見ただけ。古墳て中に入れなくてつまんないもんなんですね。あそこで星宿とか朱雀とか盛り上がったなぁ。ふしぎ遊戯で出てきたよねーとか、鬼宿っていたよねとか。そんなとこ行っても漫画にしか結び付けられないってどうよ、私。
もう一度気候の良いときに飛鳥を歩くかサイクリングするかしたいなぁ。

お話は二転三転して面白かった。
日常にもミステリは転がってるんだなぁと思った。奇妙な館とか手記とかなくっても人生も立派なミステリになるんだなと。
三人で安定して閉じてしまった関係ってどういう心地のものなんだろう?なんか想像つかないなぁ。
引きこもり探偵いよいよ巣立ちのとき?

というわけで、「青空の卵」、「仔羊の巣」ときて遂に鳥になりました。「卵」のときから、いつかは鳥井の手を離さなくては、とか言ってた坂木さん。二人にいよいよ自立の時が来たようです。

なんというか、毎回こそばゆくなるようなドラマを見せてくれてましたが、今回もいい話でかゆくなりそう。素直にいい話だといってしまうのは、なんか気恥ずかしいのです。そんなとこもけっこう楽しんでますけどね。

今回の事件はタイトルにある動物園が舞台。園内に怪我をした猫が現れる事件が発生。動物園でボランティア活動している人たちに頼まれて鳥井さん出動です。思えば随分遠くまで出張できるようになりましたね。すごいや鳥井。

作中は寒いらしく、今回のレストラン鳥井はあったかい料理がいっぱい。鍋焼きうどんとかポトフとか、ジャガイモ尽くしのコースは特に食べてみたい。ジャガイモ好き。マッシュポテトが特に好き。飽きずにずっと食べてられます。こういう料理が好きで振舞ってくれる友達が欲しい。入り浸りそうだ。

自立といってもまだまだの二人なので、続編があってもいいなと思う。

よんだもの

2004年6月21日 読書
読んだ本。ためすぎパート2。

「ネジ式ザゼツキー」(島田荘司)
「タンジール蜜柑共和国への帰還」という奇妙な童話。足が車輪の熊にプロジェクターの瞳を持つ妖精、人工筋肉で飛ぶ飛行機。そしてネジ式の関節。妄想としか思えない内容に隠された真実を御手洗さんが解き明かします。

なんかすごい。御手洗さん安楽椅子探偵ですよ。研究室の場面だけで事件解決です。インターネットて素晴らしいですね。不可解な謎がどんどん解き明かされていくのが爽快です。何かに似てるなぁと思ったら、「眩暈」だ。あれと趣向が似てる。
材料さえあれば、どんな年月を経た謎も解き明かせるみたいな台詞をいう御手洗さんが素敵だ。

そういえば、今回は石岡さんちっとも出番がなかったですねぇ。そんなときもあるのですね。御手洗さんが50歳ぐらいらしいと気づいて驚いた。物語の中でも確実に時間が流れているのですね。

「流血女神伝 女神の花嫁 後編」(須賀しのぶ)
男たちの留守を狙って襲われた村を守るため、力と引き換えにサルベーンとの間に生まれた命を捧げたラクリゼ。そのときから二人の気持ちにずれが生じる。もともと美しい顔立ちではあったが、女神の力を授かったことにより凄絶なまでの美貌になったラクリゼ。剣技も鬼神のように凄まじい。対してサルベーンは戦で大怪我をする。甲斐甲斐しく世話をするラクリゼだが、サルベーンは苛立ちを募らせる。美しく強い恋人に妬みの気持ちを持ってしまうためだ。その後凄まじい回復力を見せてまた一段と腕に磨きをかけるサルベーン。

エティカヤの侵攻に悩まされるギウタ皇国に最期の出征をする傭兵王。それについていくサルベーンとラクリゼ。ラクリゼはそこでカザリナ皇女(後のカリエ)と出会う。
このギウタ皇国の滅亡については本編でも触れられていましたが、カリエの母親やギウタ皇帝などが詳しく描かれていて良かったです。

「っポイ!24」(やまざき貴子)
一巻は確か中三の春。やっと高校受験の当日までやってきましたよ。途中、父母の若かりしころのロマンスだとか、兄ちゃん妹の話もあったりしたけど、24巻かけてまだ一年経ってないってすごいよなぁ。やっぱり中学卒業したら終わるのかしら。お話切るならそこらが区切りが良いと思う。高校編入ったらまたずいぶん区切りがつかない気がするし。別に終わって欲しいわけではないのだけど、ずるずるだらだらはあんまり良くない傾向だと思うので。

「ドラゴン騎士団22」(押上美猫)
ううーん、もうずいぶん前からどんな展開してんだかよくわからなくなってきている。異界篇長っ!張りまくりの伏線を解き明かしていくかと思うえば、また新しいの張ってるし。これ、すっきり解決するのだろうか。随分前に2の話をしてたような気がする。ほんとにするんだろうか。

ヒサビサ

2004年6月6日 読書
気づいたら二週間ほど経ってました。
別にそんな忙しいわけでもなかったのですが、うーん原因はゲームかなぁ。FF?−2のインターナショナルを中古で購入して、ラストミッションに挑戦中なのです。

トルネコの不思議なダンジョンの上に行くバージョンで、ヤドノキの塔をひたすら上に上に登っていくというゲーム。?−2のクリアデータがあればクリア後の設定のストーリーも楽しめます。

クリア後のお話にかなり惹かれまして。?−2ではティーダエンディング必死で攻略した人なので、なにか彼の新エピソードがないかと期待してます。

インターナショナルはまだ未プレイ。英語だから声が違うんだよなぁ。?−2は声がかなり好きなので微妙。特にリュックの話し方がすき。なんか舌足らずで可愛い。ユウナもティーダもすき。

読んだ本。ためすぎです。

「ロシア幽霊軍艦事件」(島田荘司)
御手洗潔のシリーズ。もうどんな順番で刊行されているのか気にしないことにしました。見つけたものを借りてます。これは御手洗さんが北欧に旅立つ前の事件らしい。ロマノフとかはよく知らないけど面白く読めた。ロマノフの黄金っていろいろ題材につかわれてそう。ルパンとか。

「流血女神伝 女神の花嫁」(須賀しのぶ)
前編と中篇を読みました。週明けには後編も借りるつもり。
幼いラクリゼとサルベーンの物語。外伝になるみたい。カリエは出てきません。これもすごい続きが気になるとこで終わってるので早く後編が読みたい。

「アリソン?」(時雨沢恵一)
上下巻。アリソンはこれで完結らしい。衝撃的な序章から始まってる。これはもう夢中になってしまうだろうなーと予感しました。後編出るまでおいといて正解でしたね。もうちょっと読みたい気もする。違う形で続きが出ないものか。

「真・イズミ幻戦記−暁の国<1>」(若木未生)
デュアル文庫で復活して嬉しいシリーズ。出てすぐに買った覚えがあるんだけど、なかなか読めずに一年経ってしまいました。この作者さんいろいろシリーズ抱えてるせいか、なかなか続きが出ないんだもの。一年経ったし、二巻は出てるかなぁと思ったけど、やっぱり出てないみたい。がっかり。イズミ様は姿かたちもないし、新キャラもいろいろありそうで気になるところ。早く続きを出して欲しい。

「アルテミス・ファウル」(オーエン・コルファー)
一巻が「妖精の身代金」で、二巻は「北極の事件簿」という副題がついてます。面白かったです。

天才少年アルテミス・ファウルを主人公としたシリーズ。代々続く犯罪一家のいまの主は12歳の少年。父親は家運を賭けた取引に出かけて行方不明になってしまい、そのせいで母親は部屋にこもりがちで精神的にも弱ってる。アルテミスは傾きかけたファウル家を立て直すためにありとあらゆる手段を講じている。それこそ合法的なものから非合法なものまでいろいろ。

彼が新しく狙いを定めたのは妖精の黄金。妖精の書をコンピューターで解読して、妖精の黄金を奪う計画を立てるが、妖精たちは物語にあるような可愛いものじゃなかったのです。人より進んだテクノロジーを持ち、ハイテク機械と魔法を操るすんごい集団だったのです。最後に勝つのは果たしてどちらか。

アルテミスも妖精たちも魅力的なので、どっちに肩入れしたらいいのか迷ってしまいました。二巻では敵対していたアルテミスと妖精たちが一時的に手を組んで事件解決のため協力したりして、面白い展開を見せます。アルテミスの従者のバトラーが素敵だ。

「お伽話のように」(高里椎奈)
ドルチェ・ヴィスタの二巻。まさかあれに続きが出るとは。三巻で完結予定らしい。
3つ短編が入ってます。どれも繋がってるようです。登場人物が少しずつかぶってる。ただこれと前作「それでも君が」がどう繋がってるのかよくわからない。キンカンぐらいかな。
表紙が美麗ーvv

星神であるテンに不老と鋼の体を与えられたカイは、長い時間をテンと旅をして過ごす。お互いを想いあう仲だが、カイが人であるためにまだ婚約中の二人。婚姻のために必要な呪物の二つまでは手に入ったが、玉がまだ見つからない。最後の一つになってからかなりの年月が過ぎている。最後の呪物が見つからなくても、テンと二人でこのまま生きていけるのでは、という考えがカイを迷わせる。

最後の呪物が見つからないのは、カイに足りないものがあるからかな。テンと結婚するということは、血の未来を捨てるということ。それでも一緒にいようと決めたはずなのに心が揺れるのは、どうしてだろう。

うーむ、信長がちょっとヤバイ感じ。大丈夫だろうか。生駒御前のことはそりゃあ残念だけど、気持ちはわかるけど、いかんだろう。それだけ生駒御前を求めていたということなんだけど、お互い想いあってるのに、微妙にすれ違ってるような。

カグヤが暗躍してますね。あの人は善い人なのかそうでないのか、判断が難しい。自分の考えに率直なのは確かなんだけど。罪には罰を。正しい考えだけど、罰は何のために与えるものなんだろう。赦すためではないのかな。やり直しできなきゃ、与える意味は半減しやしないだろうか。
暁の天使たち第6巻。
舞踏会ではありません。

てか、これで「暁の天使たち」完結って?!
最後まで読んでも全然思ってなくて、あとがき読んで驚いた。
もう一冊何か出てたのになぁて思ったら、それは外伝らしい。
どんな外伝よ。スカーレット・ウィザードみたく、どう考えても続きあるやろ、みたいなのかしら。

とにかく、世界観の説明とか人物紹介だけでお話が終わってるような気がします。天使たち全然学生生活送ってないじゃない。怪獣夫婦も宇宙を旅してないぞ。

お話は前回からの続きで、死んだ息子を生き返らせようといろいろ研究していた男の実験室にあった、ある人の細胞が原因で黒い天使が大暴走。セントラル宙域が消滅のピンチに。怪獣夫婦はこの状況をなんとかしようと、リィの元へ。しかし、めちゃくちゃ怒ってる黒い天使を止めることは、リィですら至難の業。消滅の危機はまぬがれるのか?!

天使の暴走でセントラルはすごい大騒ぎ。太陽の異常活動で三日後に呑み込まれるという計測結果が出て、偉いおじさんたちは顔面蒼白。さらに怪獣夫妻が成り行きで彼らの前に顔を出さねばならなくなって、なおさら顔が青ざめる。5年前に死んだとされている男が若返って再び現れたら、驚きもするだろう。
長い肩書きがついたおじさんたちが、驚いてへいこらしてる様は痛快ではある。

非常識な怪獣夫婦が、たぶんいちばん常識人であろうダン・マクスウェルに常識を説くシーンが面白い。死んだはずの父親が生き返って、しかも自分の歳より若くなってる彼の苦悩は誰もわかってくれないらしい。おまけに母親のことを病弱で儚げな人だと思い込んでた。旦那さまの腹に拳をぶち込んでうずくまらせる奥さまなのにね。思い込みって怖いなぁ。

やっぱりどう読んでもこれで終わりって納得いかないなぁ。外伝のあらすじ読んだら、この騒ぎのその後とダンの息子のエピソードが入ってるだけ。別に7巻にしたってよさそうなものだけどな。ま、いいです。「外伝1」となってるので、もう少しは続くみたいですから。
おいコー(「おいしいコーヒーのいれ方」の略らしい。略さないほうが素敵だと思う)の第5巻。

なぜか、これで最終巻だと思い込んでました。どうしてだろう。まだ後二冊あるみたい。しかもそれで完結なのかもわからない。

4巻で今までにない大喧嘩をして、すれ違い、やっと仲直りした後のお話。冬が終わって、春が来ました。ショーリ大学二年生です。

とりあえず、前の巻でひと段落着いた感じで、この巻は新たなる段階へ行くための助走期間て感じ。だから、まぁこれといって展開がない。収録されてるのの半分は、かれんの弟・丈の一人称の番外編だし。物足りない感じ。

これから問題になりそうなことは二つ。

ショーリに告白して振られて、拒食症ぽくなってしまった星野律子。ショーリが友人として心を砕いた結果、食欲は戻りつつあるみたいだけど、これで終わるはずがない。絶対何か波乱が起こるはず。

二つ目は、ショーリの一人暮らし。ショーリの父親が再婚をして姪みたいな妹ができたため、実家から出ることを考え始めるショーリ。一つ屋根の下で暮らしていたからこそ、築かれた部分も多い二人の絆。これがどういう影響を与えるのか楽しみ。
スニーカー文庫。四季童子さんのイラストが可愛くて目を引きます。

ヒロインの鈴藤小槙が、なんか不思議。西の方に住んでいたことがあるという設定で、関西弁を喋るんだんだけど、なんとものんびりというか、間延びしているというか、非常にマイペース。頭の回転は抜群なはずなのに、何故かテストの成績は学年最下位。整った顔立ちだけど、クラスでは浮いている。クラスメイトは彼女を気味悪がっているよう。

クラスに馴染んでいない彼女に何故かかまう少年、春野祥。彼と休日の街で出会ったことから、彼女は街一つをフィールドとしたゲームに関わることになる。

この大掛かりなゲームの仕掛け人は世界最高の頭脳の持ち主、果須田裕杜。彼は世界中から有能な人々を挑戦者として招待し、ゲームをはじめようとしていた。それは、ただのゲームではなく、命を懸けたサバイバルゲームだった。ゲーム「ルール・オブ・ザ・ルール」を勝ち抜くために、挑戦者たちは「防御人」を打ち倒して様々な効果のあるプログラムを手に入れ、時には他の挑戦者の邪魔をしつつ、キングの出したクリア条件を満たさなければならない。キングの出したクリア条件とは別に、ランダムに選ばれた挑戦者たちがさらにクリア条件を提案できたりと駆け引きや戦術もばっちり。読みごたえがあります。

頭脳中心かと思っていたら、かなりアクションの要素も強かったです。天才数学者でありテコンドーの使い手や超人気のシンガーソングライターであり合気道の達人などが登場します。相手の動きを制限したり、特定のエリアにトラップを仕掛けたり、戦略的にプログラム使うところも面白い。作中に出てくるなぞなぞも面白い。私にはどれも難しかった。
ドラマの原作にもなったお話が入ってる本。
ドラマは最初の数話見たけど、その頃原作をネットで半分くらい読めたので、なんだか原作と印象が違うなーと思った。

「Separation」と「Voice」の二編が入ってます。
二編とも「裕子」の物語です。
といっても、二つのお話は繋がっているわけじゃなくて、出発点は同じなんだけど目指した方向は違うというか、材料はいっしょだけど調理法は違うというか、共通する背景が多いのです。前に読んだ「いま、会いにゆきます」と共通する部分も多い。

よくわからないけど、これらの作品は何か著者の大切な思い出の断片でつくられているような気がする。だから心を打つのかな。

ちょっと残念だなぁと思うのは、装丁。なんだかあんまり印象に残らない。黄色と黒って目立つけど、素敵な装丁って感じじゃない。写真使ってるけど、暗すぎてよく見えない。ぼんやりした印象だ。「いま、会いにゆきます」もシンプル過ぎて、なんだかもうちょっとな感じ。

「世界の中心で、愛をさけぶ」はとても素敵な装丁だと思う。他の作品も綺麗な写真を使ってる。ジャケ買いじゃないけど、やっぱり表紙ってかなり重要だと思う。何気なく素敵な表紙だなぁと手に取ってもらうためにも、大事な要素だと思う。一番大事なのは内容だ、というのは言うまでもないですけど。
おいしいコーヒーのいれ方シリーズ2と3と4。

ショーリと五歳年上の従姉妹かれんの秘密の恋のおはなし。

ちょっとずつちょっとずつ進展するふたり。もどかしいぐらい。
いろいろ事情もあって秘密にしなきゃいけないからやきもきしたり、五歳離れていることに焦ったり不安を感じたり。
やっぱ恋愛小説は良いです。

かれんはなんか独特な話し方をする。テンポがゆっくりというか、少し間延びした感じ。でも、決してアホっぽくはない。日だまりのような優しい感じがする。そういうのが文章で表現できるってすごいなぁ。
へぇ、龍馬って暗殺されてたんだー。(知らなさ過ぎ?)

幕末ってなんだかあんまり印象にない。
だいたい授業でするときは駆け足だし。事件とかも細かくなってるから覚えられない。
新撰組だって、沖田総司ぐらいしか知らなかったしね。何番隊隊長とか副長とかも最初は何のことだかさっぱり。
ずっと不思議なんだけど、沖田総司がすごい美形ってのはいったいどこで刷り込まれてるんだろう?幕末ものって小説とかでも読んだことないんだけどなぁ。テレビ?でも、特定の誰かの顔はまったく浮かばないんだよね。不思議だ。

そんなわけで、感想にいきましょう。

今回も同じ職場の副嶋さんから学会に出席してくれと頼まれた奈々さん。渋々承知させられて高知に旅立つことになります。妹の沙織はそれを聞いて大喜び。幕末大好きな妹さんは龍馬生誕の地に行ってみたかったとのこと。ついてくることになりました。
高知に着いたその次の日、大学時代の後輩全家美鳥の誘いで、彼女の実家へ行くことに。そこにはタタルの姿も。美鳥の実家はかなりの山奥。折からの暴風雨で麓への一本道が土砂崩れで塞がってしまいました。村は戸数が非常に少なく住んでいる人間もごく僅か。外に出た人を合わせても10人。そんな中で殺人事件が発生。後ろからグサリとやられてます。さてはて、龍馬暗殺と事件はどうつながるのでしょうか。

龍馬の話は面白かった。すごいいろいろ資料があって、でもそれらの内容は微妙にずれがあって、そこにどんな意図があったのか読み取っていくのが面白い。暗殺の犯人もいろいろ説があるみたい。新撰組説とか見廻り組説とか。知らなかったなぁ。

ミステリである以上は謎を解かなくてはいけなくて、でも歴史上の出来事で解明されてないことだったら、こうなのでは?という推測以上は示せなくて、だから殺人事件を起こしてその謎を解くというのはわかるんだけど、歴史のミステリには敵わないのですよ。でも、村の話は面白かった。こういう閉鎖的空間のお話って好きだなぁ。

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