お休みの間にたくさん読んだわけでもなく、でも、忘れないうちに書いておかないとなーと。

「ゼウスの檻」(上田早夕里)
「火星ダークバラード」の作者さんの二作目。今度は木星ステーションが舞台です。でも、前作とつながりはないらしい。宇宙に進出した人類というのは一緒なのですが。今回のテーマは、ジェンダー。
遺伝子工学の進歩により生み出された新しい人類、完璧な両性種ラウンド。彼らは木星ステーションで小さなコミュニティーを築いていた。ゆくゆくは木星より遠くの宇宙に旅立つ予定だ。
一方、人の手で別の命を生み出すこと、遺伝子をいじる事を、命を弄ぶ行為と主張する過激派による、ラウンドたちを狙ったテロが計画される。

「ダウン・ツ・ヘヴン」(森博嗣)
草薙水素再び。「ナ・バ・テア」のその後。相変わらず空を飛んでいるときの描写が流れるように綺麗。ただ、一体どんな操作をしているのか知識がないためわからない。でも、綺麗。

「ゆらゆらと揺れる海の彼方3、4」(近藤信義)
世界統一を目指す若い帝国と、呑みこまれることを良しとしない辺境国の争い。いかに辺境国にのし上がる力をつけるか楽しみだ。戦争のシーンは、なんとも不思議で。青い空がどこまでも続く上下の感覚のない空間で戦うのですが、宇宙戦争のような雰囲気なのかなと。上下の別がないのに、きっちり横一列に並んでいる陣形を想像してます。
登場人物たちが上手く色付けされててわかりやすいと思う。意外性がなく王道だけども、安心できる。

「DIVE!!3 SSスペシャル’99」(森絵都)
予想通り富士谷要一がメインでした。
突如降って沸いた要一のオリンピック代表内定話。早すぎる決定に知季たちは悔しさを隠せない。要一自身は、大人たちの都合による決定への反発やチームメイトに対する後ろめたさなどから、人生最大のスランプに陥る。

「DIVE!!4 コンクリート・ドラゴン」(森絵都)
いよいよオリンピック代表選考会当日がやってきた。会場は大阪のなみはやドーム。知季、飛沫、要一らはそれぞれ新技を引っさげて挑戦する。知季は絶好調で予選も上位で通過、その後も調子よく点数を稼ぐ。飛沫も調子がよく、腰の爆弾は気になるものの順調だ。意外なのは、要一で、ノーミスで安定した演技が身上の彼が予選通過ギリギリだという。皆で仲良くオリンピックに行けたらいいのに、そうはいかないのが個人競技の哀しいところ。調子の良い選手がどこまでその調子を維持できるか、不調の選手がどこまで這いあがれるか、最後までハラハラドキドキでした。
要一の父親は、息子の所属するチームのコーチであるために、要一とは親と子である以前にコーチと選手の関係で接してきた。けれど、不調の要一が演技をする直前に、運悪く隣の会場の競泳で新記録が出てすごい騒ぎになったとき、富士谷コーチは父親の顔になって「私の息子が演技をするんだ!」と怒鳴る。このシーンがすごい好きだー。

「アルレッキーノの棺」(真瀬もと)
ヴィクトリア朝ロンドン。「十二人の道化クラブ」という奇妙なクラブに招かれた遊佐藤十郎は、破格の報酬に釣られて会員に危険を促す奇妙な手紙について調査することになる。会員は皆、家柄や名声に恵まれた変人揃いで、藤十郎は戸惑うばかり。魔女の手紙に、魔女の書、魔女と綽名される女性運動家、魔女の影に怯える医師に魔女に呪われた一族と魔女に彩られた物語です。

「式神の城 O.V.E.R.S.ver 0.81」(海法紀光)

「式神の城 Gunsmoke witch」(海法紀光)

「式神の城? 陽の巻」(海法紀光)

「式神の城? 陰の巻」(海法紀光)

「式神の城 七夜月幻想曲」をプレイしたいが為に、小説を読むことに。うーん、アルファシステムの作品だなぁ。むちゃくちゃ馬鹿でめちゃくちゃ熱いよ。ガンパレの新井木が好きじゃなかったから、ニーギ・ゴージャスブルーはちょっと微妙でしたが、いい女になってて驚いた。

「次の一冊が決まらない人のためのファンタジーブックガイド」(ファンタGメン’05)
ハリポタブームでたくさん翻訳刊行された児童ファンタジーですが、あまりに多く、そして分厚いのでどれを読もうか迷いがち。この本を読めば、大体のあらすじや傾向がわかるので、参考になるかもと思って読んでみました。まぁ、参考になりました。でも、読んでみようと思ったシリーズが図書館になくてがっくり。残念です。

「攻殻機動隊 Stand alone complex 眠り男の棺」(藤咲淳一)
吸血鬼騒動を捜査する草薙素子が荻窪に単独潜入捜査する話。荻窪に行ったことないので、町並みはさっぱりでしたが、知っていたら楽しめるかもというぐらいに描写されてます。草薙の潜入する荻窪は過去の大戦ですっかり荒廃していて、今は招尉難民の居住区となっている。危険地域への単独捜査ということで、9課の支援は受けられない。孤軍奮闘する草薙が大活躍なお話で嬉しい。やっぱ少佐は恰好良くて素敵だ。

「θは遊んでくれたよ 」(森博嗣)
Gシリーズ第二弾。Gがなんなのかまだわかりません。今までのシリーズを振り返ると人名の頭文字だと思うのだけど、がぎぐげごのイニシャルの人いるかな?
相次ぐ投身事件が自殺か他殺か、院生3人組と西之園萌絵が調べるのですが、犀川先生の方が真相に気づくのが少し早いっていうのは、憎らしい演出だなー。この時間差がいつかは縮まり逆転するのか楽しみだ。

「胡蝶の鏡」(篠田真由美)
桜井京介が昼型生活になり、料理をし、ジムに通って汗を流すという、まっとうな生活を送ってて、びっくり。それ以上に、あれれ?こんなに細やかな気配りをする人だったかと驚いた。どうも、私の桜井京介像は非常に悪かったようです。

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