夏休みの小学生高学年か中学生なったばかりかみたいな女の子たちが、やたらと森絵都の本を借りていくので、気になって借りてみた。
女の子たちが読んでたのは、「リズム」とか「ゴールドフィッシュ」だったけど。現代っぽい女の子の話だと聞いてあまりかなぁと思ったので、DIVEに。どこかで大人が読んでも面白いって見たから。

で読んでみて、驚いた。すごい面白いなぁって。
高飛び込みの選手の知季が主人公。彼の所属するスポーツクラブに新しいコーチがやってくることで、選手として凡庸だった知季の人生が変わる。これからどう変わっていくのか楽しみな感じ。先輩の要一やライバルの沖津など、他の選手のこれからも楽しみ。

知季は中学生なんだけど、学校、勉強、友達、恋愛、彼女などいろいろ切り捨てながら高飛び込みをしている。スポーツってそこまで要求されるものなんだなぁ。

高飛び込みって見たことないかもしれない。どうやらオリンピックの競技でもあるみたいなんだけどなぁ。どうしてだろう?水泳とかシンクロは見るのになぁ。高さ10メートルの台からプールに飛び込む間に宙返りしたりする競技らしい。演技の美しさ、水に入る瞬間の飛沫の少なさなどが採点の基準になる模様。そんな高いところから飛び込むだけでもすごいのに、宙返りって!恐ろしい。

「インザプール」「空中ブランコ」(奥田英郎)
へんてこ精神科医伊良部といろんな患者の短篇集。

前にドラマにもなってた。てか、見ないで読んだらもっと面白かったかもしれない。

いろんな患者が伊良部総合病院にやってきて、地下の診察室にまわされ、甲高い伊良部の声に招かれてドアをくぐる。くぐったら話よりも何よりも先に、妙に色っぽい看護婦による注射が待っている。看護婦の名はマユミさん。美人なのに愛想のカケラもなく、ついでに勤労意欲にも欠けている。注射を打つ以外はなにもせず、診察中にも関わらず雑誌を読んでいる。ドラマでは釈由美子さんがマユミさん役をしていて、恐ろしく綺麗で恰好良かったなぁ。あの人は瞳がすごい良いと思う。迫力あるよなぁ。

人の話を聞かない、注射を打つのに妙に興奮する、そんな伊良部に患者は不信感を募らせる。だが、伊良部は突拍子もないアイデアで患者を感心させ、患者は他人に言えない話を聞いて欲しさに病院を再び訪れる。

いろいろな症状の人が出てきて興味深い。切羽詰ってるし、他人事じゃない感じもする。昨日まで上手く出来ていた事がどうしてもできなくなったり、吸殻の不始末が異常なまでに気になって仕方なくなったり。その異常は心からのSOSで、その問題を解決しないと異常は収まらない。でも、問題を見つめる事が難しい。認めるってむずかしいよなぁ。

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