チャグムのお話第2弾。

前に「虚空の旅人」を読んだ時は、守り人シリーズの外伝みたいな位置付けだと思ってたので、続きが出てびっくりした。しかも、まだまだ続くらしい。

新ヨゴ皇国の皇太子チャグムは、宮で働く若い世代にを中心に支持を集める15歳の少年。父である帝や第二皇子を支持する派閥からは疎まれている。彼は幼いころに、水の精霊に関する事件で女用心棒のバルサと出会い、強い影響を受けた。今回のお話では帝の不興を買い、罠とわかっている船旅に出ることになる。

新ヨゴ皇国は北の大陸の南端にある国で、海に面している。近頃南の大陸では、タルシュ帝国が台頭してきて、周辺の国を侵略して領土を広げている。南大陸の北側を支配下に置いたタルシュは、次に北大陸との間にある島々を治めるサンガル王国に攻撃を仕掛ける。サンガルが落ちれば、次は北大陸の新ヨゴ皇国だ。嵐が近づいてきていた。

「精霊の守り人」のときのチャグムはまだまだ幼い子どもだったのに、随分成長したなぁと感激。彼は元々は第二皇子で、皇太子だった兄が病死したために皇太子になったという経緯がある。人が暮らす世界サグには、精霊が暮らす世界ナユグが重なるように存在しており、干渉しあっている。チャグムは水の精霊と関わりをもってから、時折ナユグに触れるようになる。心地よい清冽な水の香り。ナユグに行ってしまいたい気持ちを抑えて、皇太子として生きるチャグム。民が幸せに暮らせるよりよい国づくりを志すが、新しい考え方や方法に拒否反応を示す帝と古い家臣たち。若いチャグムは憤りを感じるが、彼を支持してくれるシュガたち、想ってくれている母や妹のことを考え、いらだつ気持ちを鎮めてきた。

帝とか第二皇子を推す陸軍大将がむかつくー。なんて頑固でいけずなんだろう。頭固いぞばかー。でも、窮屈な宮を飛び出せたことは、チャグムにとって幸運だったかもしれない。二度と帰れない旅だったとしても。

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