「弘海 息子が海に還る朝」(市川拓司)
2005年5月7日 読書サブタイトルと冒頭の言葉から予想した展開とは違ってて、狙ってるのかなぁと首をかしげた。狙って書いたんなら興味深い。結末が予想外だったのは、私には好印象なんですけどね、切ない話が読みたい人には肩透かしかもしれない。よその人の感想とか見てると真っ二つに分かれます。
父親が息子に手紙を書いてる場面と、過去を振り返る場面で構成されています。市川さんの優しい文章がとてもいい。裕福ではないけれど、楽しく一家四人で暮らす姿が微笑ましい。
生きていく事にちょっと不器用な弘海は、生まれたときから体の弱い子で、しょっちゅう熱を出したり、皮膚をかぶれさせたりしていた。あるとき、「泳ぐ事で体を丈夫にしよう」という謳い文句に惹かれてスイミングスクールに入る。泳ぎこそ上手いけれど、競争にいまひとつ興味が持てずに記録を残したりということはなかった。
ある日、次の春には中学生になる弘海に異変の兆しが現れる。両の脇腹に指で引っかいたような傷が複数できていて、膿んでいるのだ。弘海自身あまり痛みを感じず、最初こそ気にしてはいたが、いつしか気にしなくなる。それから暫くして、弘海の記録が急に伸び始める。喜んだのつかの間、弘海は体調を崩す事が多くなる。学校も休みがちになり、医者は原因がわからないと言う。
父親は、弘海の症状について情報を求めてインターネットをつかい、あるサイトを発見する。弘海と同じような症状の子どもを持つ親が情報を求めて作ったサイトで、その発見が家族の別離をもたらすことになる。
父親が息子に手紙を書いてる場面と、過去を振り返る場面で構成されています。市川さんの優しい文章がとてもいい。裕福ではないけれど、楽しく一家四人で暮らす姿が微笑ましい。
生きていく事にちょっと不器用な弘海は、生まれたときから体の弱い子で、しょっちゅう熱を出したり、皮膚をかぶれさせたりしていた。あるとき、「泳ぐ事で体を丈夫にしよう」という謳い文句に惹かれてスイミングスクールに入る。泳ぎこそ上手いけれど、競争にいまひとつ興味が持てずに記録を残したりということはなかった。
ある日、次の春には中学生になる弘海に異変の兆しが現れる。両の脇腹に指で引っかいたような傷が複数できていて、膿んでいるのだ。弘海自身あまり痛みを感じず、最初こそ気にしてはいたが、いつしか気にしなくなる。それから暫くして、弘海の記録が急に伸び始める。喜んだのつかの間、弘海は体調を崩す事が多くなる。学校も休みがちになり、医者は原因がわからないと言う。
父親は、弘海の症状について情報を求めてインターネットをつかい、あるサイトを発見する。弘海と同じような症状の子どもを持つ親が情報を求めて作ったサイトで、その発見が家族の別離をもたらすことになる。
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