クラフト・エヴィング商會の吉田夫妻の娘の吉田音が作者(という設定なのかな)の小説です。表紙の黒猫が可愛い。

「Think」
ご近所の円田さんとミルリトン探偵局を結成した音ちゃんは、円田さんが飼っている黒猫のシンクが時々持ち帰る不可思議な品々の由来を推理しあう遊びをはじめる。

そもそもミルリトンとはなんぞや?なのですが、フランスの素朴な焼き菓子の一種で、シンプルなつくりながらもそれは絶品なお味なんだそうだ。クラフト・エヴィングさんですから、ありそうできっと存在しないお菓子なんでしょうけど、美味しそう。・・・今検索してみたらミルリトンは実在するお菓子らしい。うっわー。食べてみたい。クラフト・エヴィングさんを疑って悪いことをした。ごめんなさい。

この本は、音ちゃんたちがシンクのおみやげから迷推理をするパートと、おみやげの真実を語るパートのふたつで構成されています。ふたつのパートが絶妙に絡んでいて面白いです。個人的にはホルン奏者のお話がすきだなぁ。

「Bolero」
この作品のキーワードは「屋上」かな。

それにしても屋上という場所は、夢を見上げるのにほどよく、また、地上で幸福を探し求める人々を見下ろすのにも適当な距離が保たれ、すべてにちょうどよい位置であるのかもしれなかった。

ふーむ、そんなこと考えて屋上にいたことない。そもそも屋上ってあんまり行く機会ないよなぁ。今度一度上ってみよう。

あいかわらずおみやげを持ち帰るシンクと、おみやげからすごい想像力でお話を作る円田さんと語り部の音ちゃん。でも、シンクはもって帰るだけじゃなくて、持ち出したりもしているようです。

ホルン奏者のお話がまたあって嬉しい。とぼけてて面白い人なんです。
今回はそれぞれのお話の人々に細いけど確かなつながりがあって、こうつながるのかーと発見しては嬉しくなる。

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