足のない獅子シリーズ第二部開始です。

「黄金の拍車」
第一部の最後でめでたくも騎士となったギルフォードとリチャード。リチャードはブラッドフィールドの屋敷を出て、隣のストックスブリッジに移り住むことになりました。やたらと自分の血筋に誇りを持っている嫌な隣人が追放された後の、新しい領主として城に住むのです。

本来私生児であるリチャードには受け継ぐ領地は無く、騎士叙任を受けたら職を求めて家を出て行かなければならなかったところ、コーンウォール伯エドマンドの計らいでお隣さんの城に住めて幸運といえば幸運なのですが、前領主の置き土産の書類の山にリチャードは頭を痛めることに。当時は字を読める人は限られていたので、殆ど一人で書類整理にあたらなくてはいけなかったからです。そのうえ、地下牢の奥から身元不明の白骨死体が出てきたので、てんやわんやです。手がかりは死体が身につけていたブローチと騎士の証である黄金の拍車。新領主の初仕事は、白骨死体の身元探しでした。

「白い矢」
コーンウォール伯エドマンドからの招待で馬上槍試合を観戦することになったリチャードとギルフォードと小姓のトビーの三人。馬上槍試合というと槍一本もって真正面からぶつかりあう競技。本文には小さな戦争とありましたが、一対一ではなくて大勢でぶつかり合うのです。すごい迫力なんだろうなぁ。

事件は馬上槍試合の最中に起こりました。皆が試合に夢中になっているときに、貴賓席の手すりに一本の矢が打ち込まれたのです。暗殺か?ということで場内騒然、馬上槍試合は中止、打ち込まれた矢の角度から向かいの城壁に上って観戦していた人たちが容疑者として連行されました。そのなかにはリチャードたちの姿もあったのです。

コーンウォール伯の口添えもあって早々に開放された三人ですが、試合に夢中になっていたため誰が矢を放ったのか全く見ていませんでした。リチャードたちは、手がかりを求めて動きはじめます。

「晴れやかな午後の光」
「開かれぬ鍵抜かれぬ剣」の後に出た短編集。
ギルの父母の出会いの話やジョナサンとその兄弟の話、トビーがブラッドフィールドに来たばかりの頃の話、犬飼いの子供ガイの話が入ってます。

昔も今もブラッドフィールド最強はギルの祖母アンジェラなんだと思った。一番苦労してるのは息子のハロルドかもしれない。アンジェラさえも一目おくキャサリンは穏やかでいてすごい人だ。リチャードの母さんも登場して面白かった。確かにとても魅力的な人みたいだ。

ジョナサンは幼い頃から頭の回転の速い、たいした性格の持ち主だったようです。ハワード四兄弟それぞれがいい感じです。

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