「紫嵐」「心洞」(五條瑛)
2004年9月7日 読書革命シリーズ2と3。
「紫嵐」は在日カンボジア難民の鳩の視点で語られる。断鎖の亮司と同じようにいつの間にか大きな流れの中に巻き込まれ、裏切られ、ぎりぎりの選択を強いられます。事の発端は頼りになるとは言い難い相棒チューンが、ある男を殺したと疑われたまま姿を消したことから始まります。たいしたことなどできないはずのチューンを追って根岸組や北京系が動き出し、鳩もそれらの勢力に逆らえず、保身のためにチューンを探し始めます。
鳩がモグリの医者のところで出会うすみれという名の少年は、不思議な魅力の瞳を持つチューンよりよっぽど頼りになる同志。彼はどうやらお話の重要な位置にいそうな感じです。
「心洞」は日本人の少年ヤスフミと少女エナの視点で語られます。責任やしがらみを嫌い中途半端に裏社会に関わって生きているヤスフミと、家出少女のエナ。二人で静かに穏やかに生きていられればそれで良かったのに、暗闇に飲み込まれてしまいます。
「紫嵐」では追う側だった鳩が、今度は裏社会のいろんな勢力から追われる立場になっているようで、ヤスフミは鳩探しの手伝いをすることになります。
こういう現代の日本を、特に裏社会とかを舞台にした小説を読むと、ただ面白いと思うだけじゃなくて、もっとこの国のことを深く考えろと言われてるような気がする。密入国とか不法滞在とか亡命とかテレビから流れてくる他人事な事件をもっと身近に感じろって言われてる気がする。だからこういう小説は私には重い。少し苦手かな。
「紫嵐」は在日カンボジア難民の鳩の視点で語られる。断鎖の亮司と同じようにいつの間にか大きな流れの中に巻き込まれ、裏切られ、ぎりぎりの選択を強いられます。事の発端は頼りになるとは言い難い相棒チューンが、ある男を殺したと疑われたまま姿を消したことから始まります。たいしたことなどできないはずのチューンを追って根岸組や北京系が動き出し、鳩もそれらの勢力に逆らえず、保身のためにチューンを探し始めます。
鳩がモグリの医者のところで出会うすみれという名の少年は、不思議な魅力の瞳を持つチューンよりよっぽど頼りになる同志。彼はどうやらお話の重要な位置にいそうな感じです。
「心洞」は日本人の少年ヤスフミと少女エナの視点で語られます。責任やしがらみを嫌い中途半端に裏社会に関わって生きているヤスフミと、家出少女のエナ。二人で静かに穏やかに生きていられればそれで良かったのに、暗闇に飲み込まれてしまいます。
「紫嵐」では追う側だった鳩が、今度は裏社会のいろんな勢力から追われる立場になっているようで、ヤスフミは鳩探しの手伝いをすることになります。
こういう現代の日本を、特に裏社会とかを舞台にした小説を読むと、ただ面白いと思うだけじゃなくて、もっとこの国のことを深く考えろと言われてるような気がする。密入国とか不法滞在とか亡命とかテレビから流れてくる他人事な事件をもっと身近に感じろって言われてる気がする。だからこういう小説は私には重い。少し苦手かな。
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