西澤保彦初挑戦。
職場の方が貸してくれた。
お酒の出てくる小説だと。

ビールがいっぱい出てきます。飲んでる場面ばかりです。飲みながら謎解きをしていきます。
特に「麦酒の家の冒険」は飲みっぱなしです。

二泊三日の旅行の帰り、ガス欠で車が動かなくなったため、山の中をさまようことになった大学生の一行は、散々歩いた末に一軒の別荘に辿りつく。人の住んでいる気配のない別荘だが、疲れ果てていた彼らは不法侵入し、食べるものを探す。屋敷中探して見つかったのは冷蔵庫とベッド一つのみ。冷蔵庫の中には黄金に輝く、エビスのロング缶がぎっしり。冗談みたいです。そして一行は無断でビールをいただきつつ、なぜこんなところにビールだけ置いているのか、という謎について意見を交わすのです。

ずーっと飲んでます。私はビール党ではないので平気ですが、好きな方にはたまらないのではないでしょうか。ビールを飲みながらどうぞとあとがきにも書いてたし。

お酒が印象深い小説というと浮かんでくるのは、QEDシリーズですけど、あちらはカクテルとかバーとか大人な雰囲気で恰好良い。対してこちらは、ビールです。しかもエビスのロング缶。ロング缶と表記するのはビール飲みの証拠だと聞きました。たしかに、あまり聞かないかも。きっと作者がビール好きなのでしょう。

「彼女が死んだ夜」は時間的には「麦酒〜」よりも以前のお話になります。コレは二転三転して面白かった。いろいろショッキングな事実が隠れててびっくりするっていうか、かなしーくなった。こちらでも、探偵役で語り手の匠千暁がビール飲みながら推理していきます。飲まないと推理できないのかってぐらいに。

匠千暁と仲間たちも良い感じです。特にタカチ。彼女は面白い個性の持ち主。迫力美人で謎めいてて、普段はすごくクールで怖いぐらいなのに、謎解きをしているときは目が輝いてる。そのギャップがいいなぁ。

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