眼球移植をした女性が、不思議な白昼夢をみるようになることがきっかけで始まるお話。

女性が眼球を失うシーンで気持ち悪くなってしまって、本気で読むのをやめようかと考えました。幸いそこさえ過ぎればなんとかなりました。グロイ内容のものは好きじゃないです。もちろんこの作品はそれだけではなくて、切ない良い感じもあるのですが。

眼球を失ったショックでそれまでの記憶を失ってしまった白木菜深さんは、非常に優秀で周囲の人たちから大変好かれている女子高生。でも記憶を失ったことにより、周囲とのコミュニケーションができなくなる。周りの人々は記憶のない彼女に「菜深」がいかに素晴らしい人だったかを話し、同じようにできない彼女を責める。それが彼女にはいたたまれない。ますます彼女の心は怯えて縮こまる。

そんな彼女の心の慰めは、移植された左眼に映る白昼夢。目に映った何かをきっかけにそれは始まる。きっかけはブランコだったりコーヒーカップだったり様々。白昼夢の中では彼女はある少年になる。少年の眼を通して見たこともない町や森の風景を見る。それは不思議と懐かしい風景。彼女はその世界に夢中になる。そして、彼女はある事実を知り、その世界に飛び込むことになる。

今までの経験もなにもかも失うって怖いなと思った。周りの人たちも悲しかったのかもしれないけど、なんだかあんまりな感じの対応。

そしてやっぱりあとがきが面白かったです。

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