四巻から続くヴァンパイア・マウンテン編三部作の二作目です。

十二年ごとに行われるヴァンパイアの総会に出席するためにクレスプリー、リトル・ピープルのハーキャットと共にヴァンパイア・マウンテンに向かったダレン少年。途中、クレスプリーの友人ガブナーと狼の親子ストリーク、ルディと出会い、マウンテンを目指します。

なんとか辿り着いたヴァンパイア・マウンテンにはたくさんのヴァンパイアたちが集まっていて、ダレン少年はいろいろなヴァンパイアと出会います。時期元帥候補のカーダ、珍しい女性ヴァンパイアのエラ、クレスプリーの師匠のシーバー、パリス元帥、ミッカー元帥などなど。

ダレン少年は、ほんの子どもの頃にクレスプリーの血を受け入れて半ヴァンパイアになった。それを他のヴァンパイアたちは軽率な行動だとクレスプリーを責める。半ヴァンパイアのダレン少年は、ヴァンパイア一族に相応しい者であることを証明するために、ヴァンパイアの試練をうけることになるのですが、それは失敗すれば「死の間」に直行という恐ろしい試練だったのです。というのが、四巻の内容。

五巻ではいよいよ普通のヴァンパイアでも難しい試練を受ける事になるのですが、掟重視のヴァンパイア達もダレン少年をみすみす死なせたくないために、なにか抜け穴はないかと必死に探してくれます。それで見つかったのが、千年もの間誰も使用してないけれど廃止にはなっていないルール「そなえの期間」。試練は通常五日連続で行われるものですが、このルールを適用すれば試練と試練の間に48時間の休息が与えられるのです。回復の早いヴァンパイアにとっては重要なもの。加えて試練のための準備時間も得られます。

さらにクレスプリーが元帥達に進言したのが、背の低いダレン少年には物理的には無理な試練は受けさせない事。これで試練の数は18種類に減りました。

それでも、ダレン少年が生き残る確率はまだまだ低くて、クレスプリーやガブナーたちは懸命にダレン少年を応援してます。他のヴァンパイアたちは賭けに対象にしていて嫌な感じ。

ダレン少年が受けた試練はどれも痛そうで苦しそう。「水の試練」「針の道の試練」「炎の試練」「力の試練」、嫌な感じの試練ばかりで、ダレン少年の身体は酷く痛めつけられて、見ていて可哀相なほど。半ヴァンパイアのダレン少年がここまで頑張れるとは、おそらく誰も予想はしてなかったと思う(クレスプリー達を除けば)

五巻の目玉はなんといっても、あの人の裏切りでしょう。どうして?ってダレン少年と共に読者は叫んでしまうこと請け合い。そして、裏切りによって命を落としてしまったある人がとても悲しいです。

「死してなお、勝利の栄冠にかがやかんことを!」

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